内容紹介
霊、霊能者ブームには、どのような歴史的背景、文化的背景があるのか。「霊」にまつわる伝承や土地をさまざまな視点から探り、日本特有の霊性についてとことん語り合う
内容(「BOOK」データベースより)
聖地、寺、鎮守の森。日本には、人の祈りや思いが篭った場所がたくさんある。合格祈願
、商売繁盛、必勝祈願。崇り、ばちあたり、お祓い。目に見えないものに捧げる小さな祈りは、常に我々の身近にある。日本人は、長い時間をかけて霊的な力を感じてきた。時代が読めない、先行きが見えない、一種の社会的不安の中で、その感覚は際だっている。人は、畏れることをもう一度回復する時代にきている。宗教哲学者と作家が、霊性という謎に迫る。
著者からのコメント
霊ということばが、これほど私たちのまわりにあふれ返っている
時代は、これまでになかったような気がする。
守護霊とか、背後霊とか、霊能者とか、霊感とかいったことばを、一日になんど
となく目にしたり耳にしたりしない日は、ないといっていいぐらいだ。
だからといって、人びとが霊について本気で信じているかどうかは、どうもはっ
きりしないような気がする。そもそも、興味本位でおもしろがっているのか、そ
れとも真実その存在を信じているかすら、確かめようがないのである。
[中略]
しかし、現代日本の多くの人びとが、いま、これほど霊という世界に関心をしめ
すのはなぜだろうか。私たちが考えたいのは、そのことである。大衆的
な流行現象を軽蔑して無視するのではなく、その背後にあるものを真面目に追求
してみたいのだ。
それこと、背後霊の背後に隠れているものを、対話という形式をとおして確かめ
てみたいというのが、この一冊の本の主題である。
(「霊の世界を考える旅のはじめに」より) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。
時代は、これまでになかったような気がする。
守護霊とか、背後霊とか、霊能者とか、霊感とかいったことばを、一日になんど
となく目にしたり耳にしたりしない日は、ないといっていいぐらいだ。
だからといって、人びとが霊について本気で信じているかどうかは、どうもはっ
きりしないような気がする。そもそも、興味本位でおもしろがっているのか、そ
れとも真実その存在を信じているかすら、確かめようがないのである。
[中略]
しかし、現代日本の多くの人びとが、いま、これほど霊という世界に関心をしめ
すのはなぜだろうか。私たちが考えたいのは、そのことである。大衆的
な流行現象を軽蔑して無視するのではなく、その背後にあるものを真面目に追求
してみたいのだ。
それこと、背後霊の背後に隠れているものを、対話という形式をとおして確かめ
てみたいというのが、この一冊の本の主題である。
(「霊の世界を考える旅のはじめに」より) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。
著者について
1932年、福岡県に生まれる。47年、朝鮮より引揚げ。早稲田大学文学部露文科中退。66年、『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞受賞。